<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 秋興八首 三>
<Format: 七言律詩>
<Year: 1965>
<BookName: 唐詩選　下>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle:  秋興四首（しうきょうししゅ）　二>
<BookPage: 123>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
千家山郭靜朝暉，
一日江樓坐翠微。
信宿漁人還汎汎，
清秋燕子故飛飛。
匡衡抗疏功名薄，
劉向傳經心事違。
同學少年多不賤，
五陵衣馬自輕肥。
<End Poem>
<Translation>
千軒ばかりの山の町は朝日の光もしずかだ。わたしは毎日毎日長江にのぞむ高樓に登って山ふところと向きあって坐る。もう二晩も三晩も、とまりこんでいる漁師たちは、相變わらず小舟を漕ぎ出して浪間にただよわせている。すがすがしい秋になったのに、つばめはまだスーイ、スーイと飛んでいる。
むかし僕の匡衡は意見書を天子にたてまつって、とうとう丞相にまで昇進したというが、自分はそれとは大ちがいで、意見書をたてまつって放逐されてしまい、何の功績にもならなかった。むかし漢の劉向ば勅命を奉じて古い經典を校訂考證し、それを子どもの劉歆に傳えて編纂事業を完成させた。わたしは學間の家に生まれ、同じ儒學を修めたとはいえ、ごらんのとおり、放浪の身の上に、かてて加えて愛兒は愚鈍不肖 の子供で、とても經學を子孫に傳えることはできそうもない。
むかし少年時代に筆硯をともにして勉強した仲間は、たいていは立身榮達している。軽い裘をきて肥えた馬にまたがり、五陵あたりを横行しているありさまが目に見えるようだ。
<End Translation>
<Formatted Translation>
千軒ばかりの山の町は朝日の光もしずかだ。
わたしは毎日毎日長江にのぞむ高樓に登って山ふところと向きあって坐る。
もう二晩も三晩も、とまりこんでいる漁師たちは、相變わらず小舟を漕ぎ出して浪間にただよわせている。
すがすがしい秋になったのに、つばめはまだスーイ、スーイと飛んでいる。
むかし僕の匡衡は意見書を天子にたてまつって、とうとう丞相にまで昇進したというが、自分はそれとは大ちがいで、意見書をたてまつって放逐されてしまい、何の功績にもならなかった。
むかし漢の劉向ば勅命を奉じて古い經典を校訂考證し、それを子どもの劉歆に傳えて編纂事業を完成させた。
わたしは學間の家に生まれ、同じ儒學を修めたとはいえ、ごらんのとおり、放浪の身の上に、かてて加えて愛兒は愚鈍不肖 の子供で、とても經學を子孫に傳えることはできそうもない。
むかし少年時代に筆硯をともにして勉強した仲間は、たいていは立身榮達している。
軽い裘をきて肥えた馬にまたがり、五陵あたりを横行しているありさまが目に見えるようだ。
<End Formatted Translation>